ガラパゴス一般情報
エクアドル一般情報
ガラパゴス
エクスプローラ2号
ホテルカルチューラ |
ガラパゴスの気候
ガラパゴスは赤道直下にありながら、寒流のペルー海流とクロムウェル海流の影響を受け非常にすごしやすい。しかし、やはり赤道直下、日差しは強烈である。
また、季節によって海流に変化が生じ、気温や降水量が変化する。
6月から11月ぐらいまでは乾季にあたる。この時期、クロムウェル海流とペルー海流の勢力が増し、一年の中で一番涼しく、雨の少ない時期を迎える。この時期に旅行する場合、水温が20度を下回ることもあるので、ウェットスーツを持っていきたいところだ。
12月に入ると、クロムウェル海流やペルー海流の勢いが衰え、北からの暖かいパナマ海流が強まる。この傾向は5月位まで続き、雨季を迎える。水温も上昇し、海水浴も非常に快適になる。しかしその分非常に暑いので、ハイキングなどの時は水と帽子を忘れないようにしたい。
この季節はまた、1日の一定時間に雲が発生し、スコールを降らせることが多い。しかし、一日中雨が降るわけではなく、それ以外の時間は青空が広がっている。私達が旅行したのは12月から1月なので、雨季にあたるが、クルーズ中はほとんど雨が降らず、快適だった。雨季と言うと日本の梅雨を連想してしまうが、降り続くわけではないので、それほど問題にならないと思う。
【ガラパゴスの気温と水温】 (℃)
月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
最高気温 |
28.0 |
29.6 |
30.6 |
29.5 |
27.9 |
26.0 |
24.6 |
24.2 |
24.3 |
25.3 |
25.8 |
26.7 |
最低気温 |
24.4 |
23.2 |
22.7 |
22.7 |
22.1 |
19.1 |
19.8 |
19.1 |
19.6 |
19.5 |
20.4 |
20.9 |
水温 |
18〜25 |
16〜20 |
18〜25 |
深層から湧き上がるクロムウェル海流の影響で、ガラパゴス西側の島の海水温は非常に低い。しかし、深海の栄養たっぷりな海水が上昇してくるため、動物のエサが豊富で、この海域の魚影の濃さはすばらしい。
マッコウクジラなどもこの海域に多く集まる。また、冷たくて栄養豊富なこの海域はペンギンの繁殖地でもある。
私達も、この西側エリアに入ったとたん、圧倒的に動物や魚の数が増えたことを感じた。しかし、雨季でクロムウェル海流の影響が少なくなっているとはいえ、イザベラの水温はかなり冷たかった。乾季だとこの海域で泳ぐのはかなり厳しいと思う。それなりの準備が必要だ。下のマップはクロムウェル海流がガラパゴス諸島にぶつかる様子。
ガラパゴスの誕生
ガラパゴス諸島はナスカプレートの上にあり、一年に7cmの速さで東南に移動している。島の北西部にはマグマの噴出し口(ホットスポット)があり、300〜500万年前に、サンクリストバル島やエスパニョーラ島がこのホットスポット上の海底火山によって作られた。その後プレートの移動によりサンクリストバル島らは南東へ移動、ホットスポット上を通ったプレートに次々と島が作られていった。
このような理由でガラパゴスの島では南東に位置する島の方が古く、北西にある、ホットスポットに近い方が新しい。イザベラ島やフェルナンディナ島では現在も活発な火山活動が繰り返されている。
ガラパゴスの歴史
1835年9月、イギリス人博物学者チャールズダーウィンがビーグル号に乗って、諸島に滞在した。この時収集した標本をもとに、24年後「種の起源」を発表。当時の生物学の概念を打ち破る大変な発見となった。
全ての生物は神が作った物という考えが信じられていた時代、ダーウィンの著書はあまりに衝撃的で、大論争となった。1835年当時ビーグル号の船長として、ダーウィンと一緒に旅したフィッツロイとも大激論となっている。フィッツロイは熱心なカトリック信者で、ダーウィンの学説は神を冒涜するものと考えた。そしてそれは当時のほとんどの人の考えだった。(フィッツロイは、数年後自殺している。)
ダーウィンが残した素晴らしい研究を記念して、1964年サンタクルス島にダーウィン研究所が建てられ、エクアドルの国立公園事務所と協力しながら島々の自然と動物を守る熱心な活動をしている。
1970年代後半、ユネスコは世界遺産の登録をはじめた。1978年、ガラパゴス諸島は世界遺産第1号として指定された。さらに2001年12月、海洋部分も追加登録され、現在ガラパゴス諸島一帯が世界遺産となっている。
ガラパゴス観光
ガラパゴス諸島に観光客がはじめて訪れたのは1969年。その後順調に増加し、1970年には1万人を突破した。その素晴らしい自然を見るために、観光客は増加の一途をたどり、現在年間65000人が諸島を訪れている。(エクアドル政府により、入島は年間65000人までと規制されている。)
エクアドル政府はガラパゴスの自然を守るため、他にも様々な規制を行っている。
島に入るためには入島税を払わなくてはならない。これは空港で、入島申請の用紙を提出後、一律100ドル徴収される。このお金は国立公園事務所を通じ、自然保護に役立てられる。
観光は必ずナチュラリストと一緒に行われる。一人のナチュラリストに十数人の観光客が割り当てられ、島々の動植物の説明を聞きながら観光をする。また、ナチュラリストは同時に、観光客が自然を破壊するような行動を監視する役目もになっている。
私達を担当したエンリケは生物学を学び、さらに国立公園事務所で研修を受けた非常に優秀なナチュラリストだった。以前島に滞在中に何度も煙草を吸い、注意しても聞かなかった人がいて、船から出ることを禁止したこともあるそうだ。
クルーズ最初のブリーフィングでは島での注意をかなり詳しく説明された。
ガラパゴスの自然の貴重さを考えれば、当然守るべきことばかりだ。ぜひ、頭に入れて観光するようにしたい。
@貝殻、砂、植物を取ったり、石などを移動させる、あるいは物をおいて帰ってはいけない。
A島に上陸中は煙草を吸ってはいけない。
Bいかなるゴミも捨ててはいけない。
C動物に触ってはいけない
D動物にえさを与えてはいけない
E諸島に、あるいは島から島へどんな生物も持ち込んだり、移動させたりしてはいけない。
Fガイドの指示には必ず従うこと。
観光客が増えるにしたがい、島に新たな外来種や病原菌が持ち込まれたり、観光客をあてにした人口流入で自然破壊が進んでいるとのことだ。
生物進化の実験場だったガラパゴスが、今や自然破壊の実験場になっているとの声もある。本来人間がいなかった島に入っているということを忘れず、ガラパゴスにマイナスになるようなことは絶対しないように心がけたいものだ。
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